シマリスとは?ペットとして飼える?飼い方の基本を専門店が解説

シマリスとは?ペットとして飼える?飼い方の基本を専門店が解説

シマリスって、そもそもどんな動物なんだろう? 犬や猫のようにすぐ懐いてくれるの? 飼うのは難しい?——「シマリス」で検索してこの記事にたどり着いた方の多くが、まずそんな疑問を持っているのではないでしょうか。

この記事では、自宅で実際にシマリスと暮らしているまりえが、専門店でお客様の飼育相談にのってきた経験もあわせて、シマリスという動物の基本から、お迎えの準備・飼育環境・食事・健康管理・なつかせ方まで、飼育の全体像をまとめました。それぞれの項目には、より詳しく解説した記事へのリンクも用意しているので、気になるところから読み進めてくださいね。

シマリスと向き合うまりえ店長

シマリスってどんな動物?

シマリス(Tamias sibiricus)は、シベリアや中国・朝鮮半島などのユーラシア大陸に生息するリスの仲間です。日本の北海道には野生のエゾシマリスが暮らしていますが、ペットとして流通しているのはシベリアシマリスがほとんど。輸入の経緯から「チョウセンシマリス」という名前で売られていることもありますが、どちらも同じシベリアシマリスの仲間です。正確には亜種のレベルで区別されていて、現在ペットとして流通しているのは中国からやってきた系統(チュウゴクシマリス)が主流と言われています。

背中に走る5本の縦縞と、くりっとした目、地面や枝の上をちょこまかと動き回る姿が愛らしい動物です。小動物の中では珍しい昼行性で、朝から夕方にかけて活発に動き回ります。「シマリスは夜行性?」と気にしている方もいるかもしれませんが、実は逆。日中によく動く分、観察や触れ合いのタイミングが取りやすいのも、シマリスならではの魅力です。

項目内容
体長12〜19cm(尾を除く)
尾長8〜11.5cm
体重70〜120g
寿命6〜10年(飼育下)
性格警戒心が強い、縄張り意識が高い、単独行動
活動時間昼行性(朝〜夕方に活発)
原産地シベリア・中国・朝鮮半島など

なお、シマリスをペットとして飼うこと自体は問題ありませんが、外来種として生態系への影響が心配されている動物でもあるため、絶対に逃がさないことが飼い主の責任です。外来種の問題について詳しくは環境省のページへ。

シマリスはペットとして飼える?

結論から言うと、シマリスはペットショップなどで入手でき、家庭で飼育できる動物です。ただし、犬や猫のようにすぐ懐くタイプではありません。警戒心が強く縄張り意識も高いため、慣れるまでには時間と根気が必要です。お迎え前に、シマリスならではの向き不向きを知っておきましょう。

  • 昼間に活発に動くので観察しやすい:夜行性の動物と違い、日中の活発な動きを楽しめる
  • 慣れると手乗りも:根気よく付き合えば、手のひらに乗ったり食べ物を受け取ったりしてくれる
  • においが少ない:ハムスターやフェレットと比べてにおいが控えめ
  • 比較的長寿:小動物の中では長寿な部類で、長く一緒に暮らせる(詳しくはシマリスの寿命ガイドへ)

一方で、覚悟しておきたいのは次のようなポイントです。

  • 基本的に1匹飼い:縄張り意識が強く、同種同士でも喧嘩になりやすいため複数飼育は基本的に不可
  • 冬眠管理が必要:気温が下がると疑似冬眠に入るリスクがあり、温度管理が重要。疑似冬眠は体力を大きく消耗し、そのまま命を落とすこともあるため注意が必要です
  • 秋の「タイガー期」がある:冬眠に向けて気が立ちやすくなる時期が毎年やってくる
  • 診てもらえる病院が限られる:エキゾチックアニマル対応の動物病院を事前に探しておく必要がある

特に秋にやってくる「タイガー期」は、初めての飼い主さんが一番戸惑うポイント。乗り越え方は後述の「なつかせ方とタイガー期」で詳しく解説します。

お迎えの準備と費用

シマリスは繁殖期が年1回のため、出会えるのは春(3月末〜5月)秋(9月頃)が中心。特に初めての方には、夏〜秋にかけてじっくり慣らす時間が取れる春のお迎えがおすすめです。お迎え時は、目の輝き・毛並み・動きの活発さで健康状態をチェックしましょう。かかるお金の目安は次のとおりです。

項目目安
生体価格15,000〜30,000円
初期費用(ケージなど飼育用品含む)約4〜7万円
月々の維持費2,500〜4,000円+電気代

📖 お迎えの時期で迷ったら
入手できる時期や健康チェックのポイントはシマリスのお迎え準備ガイドで、購入先ごとの値段の違いや生涯費用のシミュレーションはシマリスの値段ガイドで詳しくまとめています。

飼育環境づくり

シマリスは上下に活発に動き回る動物なので、高さのあるケージに枝や止まり木を設置して、立体的に動ける環境を整えることが欠かせません。目安は最低でも幅60cm×奥行40cm、上下運動のために高さ100cm以上が理想の金属製ケージ。かじる力が強いため、木製・樹脂製は避けましょう。

もうひとつ重要なのが温度管理です。適温は20〜25℃で、10℃を下回ると疑似冬眠に入るリスクが高まります。冬場はエアコンとヒーターを併用して20℃以上をキープし、疑似冬眠を予防することが、年間を通じた飼育のカギになります。

📖 冬眠対策をもっと知りたい方へ
ケージのレイアウトや、万が一疑似冬眠に入ってしまったときの対処法はシマリスの飼育環境ガイドで詳しく解説しています。

エサと食事

シマリスは雑食性で、シードミックスや専用ペレットを主食に、野菜・果物・動物性タンパク質をバランスよく組み合わせます。目安は主食(種子・ペレット)が約50%、野菜・果物が約30%、動物性タンパク質が約10〜20%。秋になると貯食行動が活発になり、頬袋にえさを詰め込んで巣箱や床材に隠す本能が強く出てきます。

一方で、チョコレート・ネギ類・アボカド・リンゴの種などは中毒の危険があるため、絶対に与えないでください。

📖 貯食行動が気になったら
季節ごとの食事量の変化や貯食行動への対応、与えてはいけない食べ物の詳細はシマリスの餌と食事ガイドにまとめています。

健康管理と病気

シマリスがかかりやすい病気には、次のようなものがあります。

  • 不正咬合:前歯が伸びすぎる
  • 歯根膿瘍:歯の根元に膿がたまる
  • 皮膚糸状菌症:カビによる感染症。人にもうつる人獣共通感染症なので、取り扱った後の手洗いは徹底しましょう
  • 腫瘍:5歳以上で増える

毎日の観察で、目の輝き・毛並み・食欲・歯の状態をチェックし、週1回程度の体重測定(適正体重は70〜120g程度)を習慣にすると、異変に早く気づけます。

シマリスは一般的な犬猫の動物病院では診てもらえないことが多く、エキゾチックアニマル対応の病院をお迎え前に確保しておくことが欠かせません。「エキゾチックアニマル 診療+地域名」で検索するか、アニコムどうぶつ病院検索でも探せます。

📖 長生きのコツを知りたい方へ
症状ごとのチェックポイントや病院の選び方はシマリスの病気と健康管理ガイド、寿命を延ばすための飼育のコツはシマリスの寿命と長生きのコツで詳しく解説しています。毎日の小さなケアの積み重ねが、シマリスの寿命をぐっと延ばしてくれますよ。

なつかせ方とタイガー期

「なかなかなついてくれない……」——シマリスを飼い始めた多くの方が最初にぶつかる壁です。シマリスは野生ではさまざまな天敵に狙われてきた動物なので、警戒心が強いのは性格ではなく本能。人のことも最初は天敵として認識します。焦らず、「声かけ→手からエサ→自分から近づくのを待つ→部屋んぽ(窓を閉めた安全な部屋でのケージ外遊び)」の順にステップを踏むことで、少しずつ信頼関係を築けます。

最初は警戒してケージの隅に隠れていた子が、少しずつ手の近くに来てくれるようになる瞬間。シマリス飼いならではの、じっくりと育てる喜びがここにあります。

そしてシマリス飼育ならではの試練が「タイガー期」。秋(9〜11月頃)になると、冬眠準備の本能で普段は穏やかな子も急に攻撃的になります。これは関係が壊れたわけではないので、無理に触らず最低限のお世話だけで春を待ちましょう。季節が過ぎれば、また落ち着いた姿に戻ってくれます。

📖 タイガー期を乗り切りたい方へ
なつかせ方のステップやストレスサインの見分け方、タイガー期の詳しい対処法はシマリスはなつく?なつかせ方とタイガー期の対処法で解説しています。

まとめ:シマリスとの暮らしを始める前に

タイガー期も乗り越えて、シマリスと長く付き合うための5つのポイント

  1. 温度管理を徹底する(20〜25℃をキープ、疑似冬眠を予防)
  2. バランスのよい食事(種子類・野菜・タンパク質をバランスよく)
  3. 1匹飼いが基本(理由は上記で解説)
  4. エキゾチック対応の病院を確保(詳しくは健康管理と病気へ)
  5. タイガー期は無理に触らず、春を待つ

ここまで読んでみて、まだ迷っているという方もいると思います。焦らず、じっくり検討してみてくださいね。

HAGU CAFEからのメッセージ

HAGU CAFE店長のまりえが、このブログでエキゾチックアニマルの飼育情報を発信しています。シマリスの飼育で気になることがあれば、このブログの各記事をぜひ参考にしてください。お迎えする日が来たら、あの愛らしい縦縞と、頬袋にえさを詰め込む仕草に、きっとメロメロになると思います!

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