デグーは適切な飼育環境と食事管理があれば、6〜8年、時には10年以上も一緒に過ごせる長寿な小動物です。
でも、デグーには特有の病気やかかりやすい疾患があります。この記事では、よくある病気とその予防法、日々の健康チェックのポイント、そして動物病院の選び方まで詳しく解説していきますね。
目次
毎日の健康チェック
健康なデグーのサイン
| チェック項目 | 健康な状態 | 要注意のサイン |
|---|---|---|
| 歯の色 | オレンジ色 | 白っぽい(栄養不足のサイン) |
| 目 | キラキラと澄んでいる | 白く濁っている、目ヤニ |
| 毛並み | ツヤツヤしている | 毛が抜ける、パサつき |
| 食欲 | チモシーをよく食べる | 食べない、ペレットだけ食べる |
| 行動 | 活発に動き回る | ぐったりしている、動かない |
| 体重 | 170〜350gで安定 | 急な増減 |
| 呼吸 | 静かで規則的 | 荒い、ゼーゼー音 |
| 排泄物 | コロコロした糞、匂い少ない | 下痢、水っぽい、血が混じる |
💡 ポイント
デグーは病気を隠す傾向が非常に強い動物です。飼い主が気づいた頃には、かなり前から体調が悪かったという場合も。毎日の観察で「いつもと違う」を早期発見することが大切です。
歯の色は超重要!
デグーの健康な歯はオレンジ色です。これは鉄分を含むエナメル質の正常な色で、白い歯はむしろ栄養不足のサイン。毎日歯の色をチェックする習慣をつけましょう。
不正咬合(歯の病気)
不正咬合はデグーで最も多い病気です。300頭の回顧的研究では、60%が歯科疾患と報告されています。2歳以降のデグーの76%に何らかの歯の問題が見られるとも。
なぜ起こる?
デグーの歯は前歯(切歯)も奥歯(臼歯)も一生伸び続ける常生歯です。チモシーをしっかり噛むことで自然に削れるのですが、繊維質の少ない食事やかじり木の不足で歯が適切に摩耗しないと、噛み合わせがずれてしまいます。
主な歯科疾患
| 疾患 | 頻度 | 特徴 |
|---|---|---|
| 臼歯の不正咬合 | 最も多い(42.3%) | 奥歯の噛み合わせ異常 |
| エナメル変色 | 13.1% | 歯の色の異常 |
| 臼歯エロドントーマ | 8.0% | 歯根の異常増殖 |
| 切歯骨折 | 6.6% | 前歯の破損 |
症状
- 食欲が落ちる(特にチモシーを食べなくなる)
- よだれが出る
- 体重が減る
- 口のあたりを前足でこする
- 目から涙が出る(奥歯の歯根が鼻涙管を圧迫するため)
- 顔まわりの毛が抜ける(デグー特有の症状)
予防と治療
- 予防:チモシーを食べ放題にする+かじり木を常に設置+カルシウム摂取
- 治療:全身麻酔下での歯の研磨(定期的に必要になることが多い)
糖尿病
デグー飼育者にとって最も恐ろしい病気が糖尿病です。デグーは進化的に糖を効率的に代謝する能力を失っており、他の動物では問題にならない量の糖分でも糖尿病を発症してしまいます。
原因
- 糖分・炭水化物の多い食事(果物、さつまいも、市販おやつなど)
- 肥満
- 膵臓のランゲルハンス島のアミロイドーシス(加齢に伴い発症しやすくなる)
症状
- 多飲多尿(水をやたらに飲む、おしっこの量が増える)
- 過食と体重変動
- 活動量の低下
- 発症から約4週間で白内障が合併
治療と予防
- 治療:低糖質・高繊維食への切り替えが基本。獣医師がメトフォルミンを処方する場合もある
- 予防:糖分を一切与えない。これに尽きます
白内障
種類と原因
| 種類 | 原因 | 特徴 |
|---|---|---|
| 糖尿病性白内障 | 糖尿病の合併症 | 発症から約4週間で進行。最も多い |
| 遺伝性白内障 | 遺伝 | 2歳以下で発症する場合に疑われる |
| 加齢性白内障 | 老化 | 高齢デグーで徐々に進行 |
| 外傷性白内障 | 目への外傷 | 片目だけ濁ることが多い |
症状
- 目が白っぽく濁る
- 物にぶつかるようになる
- 動きが慎重になる
予防
糖尿病性白内障の予防は食事管理に尽きます。糖分を含む食品を一切与えないことで、糖尿病→白内障の連鎖を断ち切ることができます。
皮膚のトラブル
皮膚真菌症(カビ)
日本の梅雨〜夏にかけて特に発症しやすい皮膚疾患です。輸入されたデグーは皮膚真菌症の因子を持っていることもあります。
症状
- 円形の脱毛
- 皮膚のフケやかさつき
- かゆがる行動
予防
- 砂浴びを定期的に行う
- ケージ内の湿度管理を徹底(65%以下)
- ケージの定期的な清掃・消毒
毛引き・脱毛
ストレスや退屈が原因で自分の毛を引き抜くことがあります。同居デグーとの相性が悪い場合に見られることも。
- 対策:環境のストレス要因を特定して取り除く。おもちゃやかじり木で退屈防止
バンブルフット(趾瘤症)
足裏に発赤・腫れ・潰瘍ができる病気です。金網の床やワイヤーメッシュの棚板が主な原因。
原因
- 金網やワイヤーメッシュの床による足裏への圧迫
- 不衛生な床材(湿った床材の上を歩き続ける)
- 肥満による足への負担増加
- 爪の伸びすぎ
予防
- 棚板にフリースマットや木の板を敷く
- 床材を清潔に保つ
- 適正体重を維持する
- 爪を定期的にチェック
しっぽの脱皮(テイルスリップ)
デグーの飼育で絶対に知っておくべき注意事項です。
テイルスリップとは?
デグーのしっぽを掴んだり引っ張ったりすると、しっぽの皮膚がストンと剥がれ落ちてしまう現象です。これは「偽性尾部自切」と呼ばれ、野生では捕食者から逃げるための防衛機構ですが、一度剥がれた皮膚は二度と再生しません。
⚠️ 絶対厳守
デグーのしっぽは何があっても絶対に掴まないでください。回し車や扉にしっぽが挟まらないよう、ケージ内の安全チェックも定期的に行いましょう。
もし起きてしまったら
- 出血は通常20分以内に止まる。止血にはコーンスターチが使える
- 傷口を消毒する
- 速やかに獣医師を受診(感染症や組織壊死の予防のため)
- 数日間は砂浴びを控える(傷口への砂の侵入防止)
動物病院の選び方
デグーはエキゾチックアニマルに分類されるため、すべての動物病院で診てもらえるわけではありません。お迎え前に必ず対応病院を見つけておくことが重要です。
探し方
- アニコムどうぶつ病院検索:エキゾチック対応の動物病院を地域別に検索可能
- Calooペット:デグーの診療実績がある病院を口コミ付きで探せる
- インターネット検索:「デグー 動物病院 + 地域名」で検索
- 購入先のペットショップに紹介してもらう
- デグー飼育者のSNS・コミュニティで情報収集
確認すべきポイント
- デグーの診療実績があるか(電話で事前に確認)
- エキゾチック「対応」より「専門」の病院が望ましい
- 緊急時のため複数の病院をリストアップしておく
- 夜間・休日の対応可否も確認
定期検診の目安
最低でも年1回の定期検診を受けましょう。特に歯のチェックは重要です。元気なときに基準値(体重、歯の状態など)を記録しておくと、異常の早期発見に役立ちます。
ペット保険
デグーに対応したペット保険もあります。エキゾチック動物の治療費は高額になることが多いので、加入を検討する価値はあります。
| 保険会社 | 加入条件 | 特徴 |
|---|---|---|
| アニコム損保 | お迎え時のみ加入可 | 窓口精算対応で便利 |
| SBIプリズム少短 | 5歳未満まで新規加入可、終身継続可 | 補償割合100%。既に飼育中でも加入可 |
| アイペット損保 | お迎え時のみ加入可 | — |
💡 ポイント
アニコム・アイペットは「お迎え時のみ」加入可能です。購入時に検討しないと後から入れません。既に飼育中の場合はSBIプリズム少短が選択肢になります。
まとめ
デグーの健康管理で大切なポイントをまとめます。
予防が最大の治療
- 不正咬合の予防:チモシー食べ放題+かじり木
- 糖尿病の予防:糖分を一切与えない
- 皮膚病の予防:砂浴び+湿度管理
- バンブルフットの予防:金網の床を避ける
- テイルスリップの予防:しっぽを絶対に掴まない
早期発見・早期治療
- 毎日の健康チェックを欠かさない
- エキゾチック対応の動物病院を事前に確保
- 年1回以上の定期検診
- ペット保険の加入検討(お迎え時がチャンス)
「いつもと違うな」と感じたら、迷わず獣医さんに相談してくださいね。



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